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2010.08.02
8月度 社長の日
葉月(はづき)暦の上では秋の始まり、夏の行事を楽しみながら、移り行く季節を味わうのも夏の終わりに大切な暮らし方かもしれない。毎年八月十四日が来ると博多のおふくろから電話がかかり、私の誕生祝をしてくれる。終戦に生まれた子だから物は無く、もともと父母たちは徳島県阿南市の狭い漁村の中で育ちましたので私を徳島の実家で産み、飢えることだけは何とか免れた環境を作り出した。村では「盆に生まれた子やから珍念(ちんねん)さん」と呼んでいたと母親から聞かされました。その母親が先月、脳梗塞で入院することになり、見舞いに帰りましたが90歳の高齢者、兄貴と離れての一人暮らしに慣れ、規則を強いる病院生活を嘆き、終の棲家を考える時が来たことが、この夏私の最大の試練に成るであろう。働き者で和裁が得意なので、私の記憶では65歳まで呉服屋専属の仕立をしていました。負けず嫌いな性格が良い顧客を付け、目が見えるまで縫い続けると言っていましたが、私の綿入れ半纏を最後に針を置いたそうです。1995年1月17日の阪神大震災の時、私は芦屋のマンションで単身赴任生活をしていました。突然の突き上げと揺れは、家族との別れと母親の事がよぎり、最後の声が聞きたくて、何度も何度も受話器を持ったが非情な通信音だけが聞こえてくるだけである。数分後に来る余震の連続に、倒れた家具から、お袋が縫ってくれた絣の着物と半纏を着て、近くの幼稚園に逃げ込みました。今思えば、何と不思議な出で立ちで合った事か。震災後芦屋のマンションに遊びに来た折、お前はお盆に生まれたけれど、<簡単には死ねない様にご本尊が守ってくれているんだろうね、>何て、何度も死に掛けた私の過去を振り返り、手を合わせて拝んでいました。認知症が進んで昔の母には戻れないかもしれないが、できるだけ昔の「珍念さん」で母と居たいと思います。
投稿者 ツインコーポレーション (12:20) | PermaLink
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